モーションキャプチャーの世界に挑戦!モーションアクターとしての4つの大切なコツ・ポイント

こんにちは!今日は、モーションキャプチャーのお仕事が一段落したので、その体験談をお話ししたいと思います。

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モーションキャプチャーって何?

まず「モーションキャプチャーって何?」という方もいると思うので、簡単に説明しますね。

人が動いて、その動きをアバターやアニメキャラクターに反映させる技術です。VTuberみたいなやつですね!僕が関わっているのは、主にアニメのアイドルが踊る部分です。

ゲームでも使われていて、キャラクターが走ったり、よじ登ったりする動きを実際の人間がモーションとして演じて、それをパソコンで読み込ませるという仕組みです。

2025年から本格参戦、4現場を経験

今年2025年に入ってからこのお仕事をさせていただいて、4つ目の現場がちょっと前に終わりました。

結論から言うと、すごく大変な現場というのが正直な感想です。

何がそんなに大変なの?

1. 絶対に間違えられないプレッシャー

僕が関わっているのはダンスなので、間違えられないんです。

想像してみてください:

  • 3分半の楽曲
  • 8人くらいのメンバー
  • 1回も間違えずにフル通し
  • それを1日に3本

この「間違えられない」というストレスが精神的にかなり来ます。

2. 自分の体で踊るけど、自分じゃない

ここが普通のダンスと大きく違うところです。

通常のダンスは自分の体ありきで踊りますが、モーションキャプチャーでは最終的にお客さんに届くのはキャラクターが踊っている姿なんです。僕じゃないんですよね。

つまり、そのキャラクターっぽい動きが必要になります:

  • 内股っぽい女々しい感じのキャラ
  • 王子様のように優雅に舞うキャラ
  • 「ウェーイ!」とテンション高めのオラオラ系キャラ

性格と動きって結びついてますよね。王子様っぽい感じとか、ノリノリ系の人の動きって、なんとなくイメージできると思います。それを踏襲して振り付けを踊っていくんです。

普段の自分の踊りプラス、キャラに寄せていく動きという二重の課題があります。

モーションキャプチャー特有の難しさ

踊りの業界に17年ほどいる僕が発見したことがあります。

デジタル空間では「ごまかし」が利かない

人間って、ものを見るときに遠近法(パース)で見ているんです。でもデジタル空間では真正面からまっすぐ見ることができるので、ちょっとしたミスでも粗が目立つんですよね。

実際の人間が踊っていると目立たない何かが、3Dアバターが2次元画面に落とし込まれて、全員を並べて見た時に目立ってしまいます。

つまり、**「はっきり、しっかり踊る」**ことが重要です。

ワン・ツー・スリー・フォーのステップも、「ワン!ツー!スリー!フォー!」みたいに、しっかりと踊っていくことが、モーションキャプチャーでは最も初級で大切なことだと実感しました。

「フリー」の部分が一番難しい

歌っている時の演技をどうするか

アイドルの人が歌っている時って、声がぶれる理由で振り付けがついていないことがあります。周りが踊っていて、その人は歌に専念する場面です。

でも、アバターなので実際には歌っていません。口パクで歌っているふりはしますが、その時の身振り手振りがそのままアバターに移行するんです。

僕なりの解決法:歌詞から感情を読み取る

先輩方からは「歌っている風に動いて」と指摘されるんですが、僕なりにもう少し具体的に落とし込んでみました。

ポイントは歌詞です。

歌詞には感情を動かす言葉が入っています:

  • 「騒ぐ」
  • 「怒る」
  • 「破壊する」

こういう気持ちが動く部分を身振りに落とし込んで、そのあとキャラに寄せる(元気だったり、優雅だったり)。これが「歌っている風に動く」ということなんだと理解しました。

歌詞 → 気持ち・感情の動き → 身振り → キャラ性の調整

この流れでやっとコツを掴めてきた感じです。

なぜ「ノーミス」で3分半通さなければいけないのか?

これ、最初は理由がよく分からなかったんです。普通のミュージックビデオなら、カット割りでつなげばいいじゃないですか。

でも理由がありました。

メタバース空間でのライブ体験

案件によっては、Fortniteのようなゲーム世界で使われることがあります。ユーザーが自分のアバターでステージ周りを歩き回りながら、推しのキャラを追いかけて色々な角度から見るんです。

そうなると、途中で止めるわけにはいかないんですよね。つなぎ目があったら「あれ?ここ飛んでるよね」ってバレちゃいます。

だから本当に3分半なり4分、楽曲を丸1曲通さないと不都合が出るんです。

この仕事の将来性

AIやロボットが発達していっても、この業界は置き換えられにくいんじゃないかと直感的に思っています。

最終的にコンシューマーの人たち、ファンの人たちがたくさんいる豊かな環境のお仕事だと思うので、ダンスや体を動かす表現をやりたい人にとってはすごくいいお仕事だなと感じました。

ただし、冒頭でも言ったようにすごくプレッシャーのかかる仕事でもあります。やりがいはありますが、覚悟も必要ですね。

まとめ:モーションキャプチャーで大切なこと

4現場を経験して分かった重要ポイントをまとめます:

1. はっきりしっかり踊る

アバター特有の見え方で、ごまかしが全て見えてしまうため

2. 歌詞から感情を起こして身振りにする

フリーの演技では、歌詞の内容から気持ちを読み取って表現

3. 歩き方の研究が必要

移動の仕方もすごく難しい。ライブ会場でのアーティストの歩き方を研究するのは面白そう

4. キャラクター性を理解して引き出しを増やす

  • どっしりしているタイプ
  • 機敏に動くタイプ
  • 優雅なタイプ
  • キャピキャピしているタイプ

これらを自分の体で自然に演じられるようになることが大切です。

正直、まだまだ勉強しなければいけないことがたくさんありますが、新しい表現の世界に挑戦できて本当に面白い経験でした。

また何か発見があれば、お届けしますね!