歌舞伎より『引き抜き』人間の表裏一体と成長【▼歌舞伎の基本の型シリーズ】
ダンステクニックの向上と日々の健康に役立つ情報コーナーです。
これまで、身体の解剖学と栄養から、健康に関して調べていきました!
今回からは、よりダンスに特化して、“美”について考えていきましょう!
まずは、伝統的な“型”による美を追求していきます!
表現する体の使い方や見せ方を増やすために、その獲得と、
今でも残る昔からの作法の美しさを見つけていこうと思います。
歌舞伎より【引き抜き】人間の表裏一体と成長
衣裳の仕掛けとして、衣裳を重ね着して、一瞬で脱ぐと変化するもの。トランスフォーメーションです。方法としては、しつけた糸を引くと一瞬にして下に着こんだ衣裳が現れます。舞踊などで大変に視覚的効果があります。『京鹿子娘道成寺』では数種の衣裳を引き抜いて見せ、女性が変身し成長してゆく様を鮮やかに表現します。ここでは後見がそれを実行しますが、舞踊の段取りをしっかりと飲み込んだ上で演者との呼吸も合わせ素早く行動しますので、当然ながら熟練を要します。『鷺娘』で、鷺の精が町娘の姿に変わる引抜きも鮮やかです。
【写真】『京鹿子娘道成寺』
日本の歴史には、妖怪とか恨みつらみのような話が多いようにお思います。
同一人物がある感情を抱いて変化してしまう感じです。土蜘蛛などもそのようなお話だったかと。
舞台で演じるには、舞台袖にはけて着替えることも手法の一つですが、それを見せてしまうことで、その驚きと、人間の表裏一体を見せているようにも思います。
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