「大人たちのレジェンド東京」チャレンジ部門優勝!異質な作品で目指した真剣な大人の表現
「大人たちのレジェンド東京」というダンス大会が終わったので、振り返ってみたいと思います。
チャレンジ部門で見事優勝することができました!2チーム中ではありましたが、自分的にもうまくまとまった、ハマったという感覚があるので、この作品について考えていたことを話していこうと思います。今後作品を作る時の指針の一つになればいいなと。
一番嬉しかったのは「異質だった」と言われたこと
優勝ももちろん嬉しかったのですが、何よりも審査員の方や見に来ていた方から「他のチームと比べて異質だった」と言われたことが一番大きかったですね。これが狙い通りだったので、なお良かったです。
レジェンド東京とはどんな大会?
まず、レジェンド東京について説明しますね。
レジェンド東京は本戦がとても大きな大会で、10年前くらいは「レジェンドで優勝したら仕事的にもいいことがある」というクラスの作品展示イベントでした。
普通の大会は個人技や個人のテクニックが審査対象になりますが、レジェンド東京は作品としてのまとまり感や世界観を重視するのが特徴です。
今回の「大人たちのレジェンド」は35歳以上、特に50歳以上の方が多く出場する年齢が高めの部門で、そういう年齢層も加点される大会でした。
みんなとは真逆のアプローチを選んだ理由
レジェンド系の大会って、僕のイメージでは:
- みんな正面を向いて
- いい感じのフォーメーションになって
- ユニゾンをする
- いい感じの音楽で
- コミカルさを入れたエンターテイメント
- センターに向かって照明を浴びる
- 手を高く上げる
そんな「お行儀のいいダンス」「こうするのが普通だよね」というものが多いイメージがありました。
今回は大人のレジェンドなので、絶対にコミカルを入れてくるチームが多いと判断して、その全く真逆をやることにしました。
テーマ:体で祈る、生の感情をぶつける
具体的には、**結構本気に感情むき出しで、生な感じで、「祈る」**ということ、体で祈るみたいなことをテーマにしました。
使用した楽曲
RADWIMPSの「合唱」という、東日本大震災のことを歌った楽曲を使用しました。とても心のこもった、感情が湧き立つ音楽です。
この曲だと、おちゃらけもできないんですよね。変なことをやるにしても、結構真剣にやらないといけない雰囲気がある楽曲でした。
大人が真剣に踊ることの美しさ
普段一生懸命働いている大人がおちゃらけをするのももちろんいいと思うのですが、僕が表現したかったのは:
大人が真剣に踊ったり、自分がやりたいことのために人に謝るという姿勢や精神
僕は大人が頭を下げて「申し訳ございませんでした」という姿が好きなんです。本当に悪いことをしたらダメですが、自分の意見を貫き通すために、誰かに謝ってでも何かを貫き通す。そういう生き様が見えることに感動するんですよね。
その生き様を見せたかったんです。それが大人のレジェンドをやる上での核だと思っていました。
衣装へのこだわり:みんなバラバラでも統一感
他のチームは衣装がみんな一緒でしたが、僕たちのチームは全員バラバラの衣装でした。
でも、土着的な感じ、民族っぽい感じ、日本の和っぽい感じ、祈りっぽい感じという土っぽいイメージで統一させました。
メンバーの一人が素敵なことを言っていました:「せっかく大人たちが集まっているのに、全員同じ服を着ることに違和感を感じる」
僕も同感でした。大人になればなるほど、それぞれの「角度」が変わってくるんです。
人生の「角度」が作る多様性
生まれた瞬間、みんな大体病院で生まれて、それほど大差がないところからスタートします。でもそこから:
- 体が強かったり弱かったり
- 勉強ができたり、運動が得意だったり
- お金持ちの家に生まれたり、辛い環境で育ったり
時間が進むにつれて、みんなバラバラな方向に進んでいく。その「角度」の違いが、大人になればなるほど顕著になります。
それが味だったり、イケていたり、かっこよかったり、時にはみすぼらしかったり、かわいそうだったり。そういうのも含めて大人だと思うんです。
それを客観的に見て受け止めてあげられるような世界を作ることが理想だし、人間としていいことだと思います。
創作プロセス:まず一人で踊ってみる
具体的な創作方法について話しますね。
3分の楽曲で7シーンくらいの構成を考えていたのですが、最初はボンヤリしていました。そこからどうしたかというと:
まず自分一人で、その楽曲を感情を込めて踊ってみる
これがすごく大切でした。自分が踊ることに意味があるわけではないのですが、音楽3分間の中で感情が動いて、そこに見えているイメージを体で表現する。そのエネルギッシュになっていく過程が振り付けなんです。
感覚的に、イメージ的に、ビジュアル的に見えている空間と、自分の心の動きと、音楽の構成。その具体的な動きというより、そういうことができることがまず大切だと思いました。
核となった「玉」のモチーフ
一人で踊っている時に生まれたのが、**「玉」**というモチーフでした。
作品タイトルは「波と岩と祈り」。まさに東日本大震災の波を表現したものでしたが、その中で「魂」のイメージがありました。60歳くらいのメンバーの方が、その魂を持って運ぶというイメージもありました。
音楽のクライマックス直前、ラストサビに向かって盛り上げていく時の自分のイメージが「玉」だったんです。それはボールという意味の「球」でもあるし、「魂」という意味の「玉」でもありました。
玉を使った振り付け
その魂・玉を:
- 表現する
- 持っている
- 投げる
- 体の中に入れる
- 飛び出す
- 増幅させる
こういったことを8カウント×8くらいの具体的な振り付けで作りました。
そして全員で舞台後方に向かって玉を投げると、それが大きくなって広がって繋がる。そこから最後は全員8×8カウントの即興で、それぞれが思いの丈を踊るということをやりました。
これが異質だったし、この玉ダンスがあったから成功したと思っています。
世界観を大切にした構成
全体の流れは:
- 船の先頭に立って大地の神々を呼び起こすところから開始
- それが波になって飛び出していく
- 岩になって、魂が固まって動く
- 途中でソロが入る
- 最後は鎮魂のダンスで締める
この世界観が大切でした。
他のチームも世界観はありましたが、説明的だったチームもありました。振り付けをガチガチに決めるんじゃなくて、テーマやシチュエーションを決めて、そこに向かって自動的に動いていく集中力のエネルギーというのは結構強いものがあります。
勝因:異質さと真剣さの融合
今回の勝因は:
- 他のチームとは異質だったこと
- ユニゾンダンスではなく、かといって決まっていない即興のバラバラでもない
- 世界観で統一された、意味のある、エネルギッシュな表現だったこと
体から、動きから出てくるエナジー、パワフルさが勝利に繋がったのかなと思います。
今後の指針
今後作品を作るなら:
- 面白エンタメは導入として使う
- そこから人が真剣になる部分に持っていく
- 誰かに謝るような真剣さ、祈りのような精神世界
- 日常からかけ離れた出来事ではなく、日常から入って精神世界に入る
- それを3-4分で構成する
こういった作品を作りたいなと思いました。
まとめ
「異質だった」と言われたことが一番の収穫でした。大人の多様性を受け入れ、それぞれの生き様を表現できる作品づくり。テンプレートではない、真剣な表現を追求することで、観客に届く作品になったのだと思います。
この経験を今後の創作活動にも活かしていきたいです。





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